「結果を出す人」はノートに何を書いているのか - 美崎栄一郎
ノートは仕事で三冊使う
仕事のノートは、パソコンでいうハードディスクのように使います。
ハードディスクとは、自分の脳では記憶できない情報をためておく「外部記憶装置」のことです。思いついたメモを書きとめておいたり、必要に応じてノートから情報を読み込んでいきます。
記憶装置といってもノートは究極のアナログ装置ですから、何も難しいことはありません。色ペンで書いたり、糊で貼ったり、見返したいときにパラパラとノートをめくってみるだけです。
ただ、どういう状況においても、身近なところに置いておくことがポイントです。ノートはパソコンより持ち運びが簡単なので、仕事の記憶装置になるのです。
ですが、すべての情報をたった一冊のノートにまとめ、それをいつでもどんな状況でも持ち運ぶのはなかなか難しいと思います。一元化は究極の理想ですが、私は挫折してしまいました。そこで、状況と目的に応じて、私はノートを以下のように三冊使っています。
① メモノート
② 母艦ノート
③ スケジュールノート
この三冊に付箋を組み合わせて活用するのが、私のスタイルです。
スケジュール帳もノートを使います。詳しくは第4章で解説しますが、システム手帳やネットのカレンダーなどより使い勝手がいい理由もあるのです。
この三冊を組み合わせて、断片的な思いつきのメモを企画書にまで育てたり、締め切りを意識しながらクオリティの高いプレゼン資料にまとめたりすることができます。
私はこれまでたくさんの種類のノートを使ってきました。ワークスタイルの変化に合わせて、ビジネスツールであるノートも種類や使い方を変えてきたのです。
この「三冊ノート術」は、私が試行錯誤の上にたどり着いた方法です。
三冊を組み合わせながら、さらに付箋を活用していく方法が、あなたの仕事の生産性を上げる効果的な方法であることを、これから解説していきます。
思いつきを拾う「メモノート」
通勤や出張においては、ノートをすぐに出せない状況もあるので、モバイル性に優れた「メモノート」を使います。
メモノートとは、文庫サイズのA6や、その半分の大きさのA7サイズのノートなど、おもにメモ帳として使うようなノートを総称して、私が勝手に名づけた呼び名です。これが、一つ目のノートです。
メモノートは、とにかくどんな状況でも取り出せてスピーディーに書けることがメリットです。スーツのポケットやカバンのすぐ出せる場所、ジーンズのポケットなどに入れます。サイズが小さいので持ち運びがラクです。
そして、思いつき程度のことをささっと書くにはちょうどいいサイズなので、まとまっていない考えもメモノートにどんどん書いていきます。特に外出先や移動中、出張先などで活躍します。
大きなノートに書くほどでもない、ちょっとしたアイデアや気づきなどの断片メモ、忘れないように記録しておきたい数字や固有名詞などのキーワードなどを、まずはここにメモします。
メモの第一段階です。この断片メモを大きく育て、企画などに成長させたり、提出するビジネス文書などにアウトプットしていく流れを、まずざっくりと頭でイメージしてみてください。
とにかく、思いついたらすぐ書く、メモしておく。そして、あとで活用する。そのための情報の受け皿です。
あとで活用するためには、ちぎれるタイプのメモノートがお勧めです。綴じ形式のメモノートでも構わないのですが、ちぎれると転記する手間もかからず、そのまま別のノートに貼ることができます。
メモノートは有名なもので、フランスのロディア社が出しているメモ帳があります。大きな文房具店には、さまざまなサイズの展開がありますので、使われている方も多いと思います。
ですが、私はどうしてもこの外国製の濃すぎる罫線の色や真っ白の紙色が書きにくく、最近はコクヨS&Tから出ている「デミクーパー(DEMICOUPER)」というメモノートを使っています。
これは、コンビニのサークルKサンクスだけでしか販売されていない商品なので、手に入れるのが少し大変ですが、罫線や紙の色が目にやさしく、書き心地もソフトでお勧めです。
そして、もっとも特徴的なのが、ちぎれるミシン線が上部だけでなく真ん中にも付いているため、一枚全部を使う必要のないメモなどは、半分に切って使うことができます。コストパフォーマンスが高い上にエコな商品です。
参考までに、メモノートのお勧め商品を口絵でご紹介していますので、好みに合わせて選んでみてください。
私はメモノートを、おもに「タスク管理」と「アイデア出し」に用いています。
タスクとは、実行できる仕事の単位のことであり、やるべき仕事を極力最小単位のタスクに落とし込んでメモしていくことがポイントです。
例えば、打ち合わせ中に急いで、上司の確認を取らなければいけないことに気づいた場合は、普通にノートに書くと他の情報とまぎれてしまい、あとで読み返すこともなくなります。そういうときは、メモノートに書きます。
また、漠然とした記述では結局何をやるべきかわからなくなってしまうので、「A社の見積金額の件、田島部長に要確認」などと最小単位のタスクとして書くようにします。
急いで確認することですから、他と区別しておいたほうがわかりやすいですし、区別することで、急いでやるべきタスクという意識を持てます。
また、上司の確認が取れた場合、ページをちぎって後述する「母艦ノート」に貼り、何が決まったのか、そしてその対応策なども一緒に母艦ノートに書いておけば、情報が散逸することもありません。
その際、メモノートは切り離せるのがミソですから、一枚に一行キーワードだけ書くなど、区切りのいい項目だけを入れて大胆に使います。
アイデア出しは、アイデアを出さなければならない項目やテーマだけのキーワードを書
「結果を出す人」はノートに何を書いているのか (Nanaブックス)
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目次
「結果を出す人」はノートに何を書いているのか
はじめにノートで自分固有の経験をためる第1章 ノートは仕事でどう使うのか?
仕事の効率化・生産性のアップ
社会人のノートは「忘れる」ために使う
ノート術はビジネススキル
デジタルツールの活用が幅を広げる
第2章 仕事ノートの選び方・使い方
母艦ノートの選び方第3章 ノートを使った仕事術
ルーズリーフは上級者向け
高級ノートでモチベーションを上げる
罫線の種類にも使い勝手がある
一コンテンツ、一ページが基本
時系列で書く
日付を入れる
複数のペンを使い分け痕跡を残す
実物をそのまま貼る
収納できるポケット作り
ポストイットのベースステーションを作る
付箋「超」活用術
「プロジェクトノート」は同じページに追記する第4章 ノートを使った時間管理術
「予想」「実行」「結果」はペンで色分け
付箋を使ったタスク管理術
「企画」に活かすノート術
移動しながらアイデアを出す技術
競馬と同じ! 予想と結果の「会議ノート」
「いつ難が何をやる」の書き方
予想と結果の「記録」が成長の原動力
議事録をラクに書くコツ
コーネルメソッドを会議ノートに応用してみる
ラフなミーティングの儀事録ノート
電話メモをノートに貼る
「出張・外出ノート」は機動力重視
スケジュールノートとは何か第5章 自己投資のためのノート術
スケジュールは紙でマネジメントする
予定を忘れるために使う
書き方は「マンスリー」で一元化
「打ち合わせ」でスケジュールを決める
「電話」でスケジュールを決める
「メール」でスケジュールを決める
スケジュールを「チームで共有」する
「WEB」でスケジュールを決める
「バッファー」からスケジュールを決める
「タスクリスト」からスケジュールを決める
定期的に開催されるスケジュール
自己投資は「リターン」にこだわる第6章 デジタルを使ったノート術
資格を取るためのノート術
読書は「A書評」でまとめる
実行するには「キーワード」に落とす
もっとも簡単な読書スクラップ術
セミナーノート術
セミナーは人脈の釣り堀
ノートと名刺を使った「人脈管理術」
デジタルツールで過去のノートを一発検索第7章 仕事ノートに使うお勧め文房具
面倒くさがりやのための「イメージ検索」
表紙のデジタル管理
ワンランク上の中面イメージ検索
スキャンしてデジタル化
デジカメを使ってデジタル化
画像ファイルをPCで管理する方法
iPhoneとのリンク方法
「google picasa」と「Yahoo flickr」で保管
名刺のデジタル管理
ボツネタは「アイデア倉庫」に
ドラッグ&ドロップができるオリジナルシール
付箋に印刷して「オリジナル付箋」を作る
1 日付を打つスタンプ……デートスタンプあとがき
2 裏写りしないペン……紙用マッキー極細
3 消せるボールペン……フリクションボール
4 リングノートのリングの中に入れる……ペン油性ボールペン(手帳用)
5 クリエーターつぼいマーカー……シャーピー/リトラクタブル
6 絵の具の筆ペン……彩 Sai
7 目にやさしい蛍光ペン……マイルドライナー
8 ノック式蛍光ペン……Handy-line S
9 紙を貼るために留めるテープ……メンディングテーブ ドーナツ
10 紙を貼るために留めるテープ糊……ドットライナース タンプ
11 おしゃれな柄のマスキングテープ……マスキングテープ「mt」
12 ペンみたいなのに消しゴム……MONO zero
13 ミシン目カッター……ミソン目ロータリー
14 波の形に切れるロータリーカッター……45mmウェーブ刃
15 引き金を引けばテープが切れる……おもしろテープカッター
16 コンパクトなカッター……マグネタッチ
17 動物クリップ……D-CLIPS アヒル
18 クラフトパンチ……Carla Craft
19 風呂で使えるメモ……風呂単
20 雨の日にはこんなメモノート……プロジェクト耐水メモ
21 お金持ちの気分を味わえるメモ帳……百万円札メモ帳
22 書類を壁に貼ったり剥がしたりするときに……マグネットクロスバー〈ペケピタ〉
23 ぐうたらな人向けの印鑑……NAMEPEN CAPLESS EX
24 自分用のホワイトボードマーカー……Handy ホワイトボードマーカー
25 メモが書けるマウスパッド……マウスパッド CLIC-BLOC
26 受話器になるマウス……マウストーク
27 小さなカメラスタンド……デジタルカメラスタンド DGT-010SV
28 収納して使い勝手を良くするケースカバン……マルチワークケ−ス
29 大事なモノを入れるのに便利なグッズ……チャック式クッションパック
30 日本語入力ソフト……ATOK