イグ・ノーベル賞 - 田口文章
田口北里大名誉教授の研究は非常に有用だと思った。
──現在開発中のシステムについて、おおまかにお話ししてもらえますか。
まず、生ゴミを原料として、そこにシロアリから分離した菌を投入して発酵させ水素を取り出します。メタン発酵の場合と比較すると、発酵に要する時間も20分の1から30分の1に短縮され、プラントも小型化できるし、運転費用も安くてすむ。こうして取り出した水素は、燃料電池車のエネルギーとして活用できるのです。ただ、この方法だと水素を発酵させたあとに、生ゴミの残り滓(残渣)が大量に発生してしまうという問題がありました。そこで、生ゴミを効率よく分解する菌をパンダの糞から分離し、それらの細菌を利用して残った滓をほとんど消滅させることに成功したわけです。
コラム - 緑のgoo