IRN-BRU

ここのところ、スコットランドの作家イアン・ランキン(IAN RANKIN)の『獣と肉』を読んでいる。延原の訳は、全体としては読みやすいが、所々ヘンテコな箇所が見られる。とくに会話部分に関しては、丁寧語と普通の言葉遣いが混在していて違和感を感じる。

今日読んでいて気になったのは、飲み物の名前についてだった。スコットランドにはコーラよりも売れている清涼飲料水が存在する。その名も"IRN-BRU"。発音をwikipediaで調べたところ、「アイアーン・ブルー」と記載されている。ところが、延原訳では「アーン・ブルー」となっていたのだ。日本人の中には、「アイロン・ブルー」と呼ぶ人もいるようだが、「アーン・ブルー」なんて発音は聞いたことがない。延原は、この表記についてどんな確信を持っているんだろうか?

自動販売機で足を止め、清涼飲料水、アーン・ブルーの缶を買うと、それを飲みながら探し続けた。

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獣と肉 (ハヤカワ・ノヴェルズ)

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