勝間とカツマー

関係する女 所有する男 (講談社現代新書)』の斎藤環氏が勝間和代ブームについて記事を書いている。

 だから「カツマー」たちのほとんどは、自己啓発のほうに夢中で、社会的な問題意識ははっきりいって乏しい。あえてこう断言するのは「私は違う」という声が聞きたいからだが、たぶんそうした声は少ないだろう。それは当然なのだ。私は経験的に確信しているが、「インセンティブ」としての「自己啓発」と「社会変革」とは、ふつうはまず両立しない。最終的には一致を見ることはありうるとしても、それはあくまで結果論である。

http://voiceplus-php.jp/archive/detail.jsp?id=225&nif=false&pageStart=80

ここで、斎藤氏が述べているのは、要するにこういうことだろう。「カツマー」たちは勝間氏の「手段」に夢中で、勝間氏の「目標」に対する意識が乏しい。それは、当然だ。「目標」は百人百様なのだから。間口が狭い。一方、「自己啓発」は「目標」を達成するための「手段」だ。そのため、百人全員で共有しうる。間口が広い。ベストセラーの要素になるのは、こちらの間口の広い方だ。勝間氏の「目標」は「社会変革」である。これを共有できる人が極めて少ないことは容易に想像できる。