「中村 中 先行試聴会」感想
本日、行ってきた。中村中のニューアルバム「少年少女」先行試聴会。
会場に着くや目についたのは機器類。プレーヤーやスピーカーなどさすがに本格的なものが用意されていた。
試聴会の冒頭で中村中本人のビデオ映像(5分)が流れた。中村はその中で、今回の試聴会で歌詞を提供しなかった理由を述べた。目で見る歌詞にしばられずに音そのものを堪能して欲しい。それが理由だった。小生は、普段ほとんど歌詞カードを見ないので、このメッセージに頷くことしきりだった。
以下、アルバム収録曲ごとに感想を箇条書きする。
- 家出少女
「何時に帰るかなんてわからない」の印象的な歌詞を持つ曲。思春期の強さと弱さを兼ね備えた感じがうまく表現されていて、熱いものが伝わってくる。 - ここは、風の街
「追い風」は、普通いい意味で使われる言葉だが、ここではちょっとひねった意味で使われていてそこがいいと感じた。「あいつを捨てたのは街の方さ」という逆転の発想も面白い。 - 独白
冒頭で突然独り言が聞こえてきて驚く。この曲はアルバムの中でかなり印象に残った曲。社会風刺的な要素を持っていて、中村中の新境地を思わせる。 - 初恋
高い透き通る声で歌い上げられて、まさに初恋の切ない感じがよく伝わってくる曲。サビの「きみだけが〜」の響きが最高だ。 - 秘密
同じ高音でも「初恋」とはちょっと違った甘い声。2人の間の秘密を歌い上げるのに良くあう声だと思う。 - 人間失格
心の叫びを聞くような曲。歪んだ音が、訴えかけようとする声と相まって聴くものの心を掴む。 - 旅人だもの
物語的な出だしが印象的な曲。「考えごとは腹が減る」の歌詞が中村中っぽくていい。野狐禅的な語りが新鮮に響く。 - 戦争を知らない僕らの戦争
哀しい音色で始まり、戦争を思わせる歌詞が続く。途中で「あっ」と思わせる仕掛けが用意されている。この曲もアルバムの代表曲と言っても過言ではないと思う。 - 青春でした。
リズムがかなり前面に押し出た曲。「トゥールルル、青春」の反復が心地よい。低音と高音を合わせた響きに癒される。 - ともだちになりたい
冒頭、ピアノで始まる。ベースも聞こえてくる。いつもの中村中かな?と思ったところで、森田童子っぽい音の切り方が出てきて新味を演出する。 - 不良少年
この曲はアルバムの最後の曲としてふさわしいと聴いてすぐ思った。仕掛けが隠されていてそこもいい。厚い音を貫いて響く中村中の声が印象的だ。
今回の試聴会は普段自宅で聴いているより格段にいい音でアルバムを堪能できて大満足だった。唯一残念なのは、アルバムリリースがかなり先なので、再聴しようとしてもそれができないことだ。
- アーティスト: 中村中
- 出版社/メーカー: ヤマハミュージックコミュニケーションズ
- 発売日: 2010/09/22
- メディア: CD
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