はじめての政治哲学 - 小川仁志

第1章 自由をめぐる論争

  1. 『道徳および立法の諸原理序説』ベンサム
    世界の名著 (49)ベンサム/J.S.ミル (中公バックス)』(抄訳)
    「功利主義の原理について」ほか 『立法と道徳の原理序説』より (『立法と道徳の原理序説』(1823年版)全訳集, 第1巻)』(第1章から第3章まで)
  2. 功利主義論』J・S・ミル
    世界の名著 (49)ベンサム/J.S.ミル (中公バックス)
  3. 『自由論』J・S・ミル
    自由論 (岩波文庫)
  4. 『道徳形而上学原論』カント
    道徳形而上学原論 (岩波文庫)
  5. 『啓蒙とは何か』カント
    啓蒙とは何か 他四篇 (岩波文庫 青625-2)
  6. 『永遠平和のために』カント
    永遠平和のために (岩波文庫)
  7. 『正義論』ロールズ
    正義論』(紀伊國屋書店
  8. 『政治的リベラリズムロールズ
    Political Liberalism (Columbia Classics in Philosophy) (English Edition)
  9. 『平等とは何か』ロナルド・ドゥウォーキン
    平等とは何か』(木鐸社
  10. 『自由と権利―政治哲学論集』ジョセフ・ラズ
    自由と権利―政治哲学論集』(勁草書房
  11. 『リベラル・ヴァーチューズ』スティーヴン・マセド
    Liberal Virtues: Citizenship, Virtue, and Community in Liberal Constitutionalism
  12. リベラリズムと正義の限界』マイケル・サンデル
    リベラリズムと正義の限界』(勁草書房
  13. 『民主政の不満―公共哲学を求めるアメリカ』マイケル・サンデル
    民主政の不満―公共哲学を求めるアメリカ〈上〉手続き的共和国の憲法』(勁草書房

    民主政の不満 下―公共哲学を求めるアメリカ
  14. 『美徳なき時代』アラスデア・マッキンタイア
    美徳なき時代』(みすず書房
  15. 『哲学論文集』テイラー
    Philosophical Papers (Philosophical Papers, Vol 1)
  16. 『正義の領分』マイケル・ウォルツァー
    正義の領分─多元性と平等の擁護─』(而立書房)
  17. アナーキー・国家・ユートピア』ロバート・ノージック
    アナーキー・国家・ユートピア―国家の正当性とその限界』(木鐸社
  18. ベーシック・インカムの哲学』フィリップ・V・パリース
    ベーシック・インカムの哲学―すべての人にリアルな自由を』(勁草書房

第2章 民主主義をめぐる論争

  1. 『現代政治分析』ロバート・A・ダール
    現代政治分析 (岩波現代文庫)』(岩波書店
  2. 『現代権力論批判』スティーヴン・ルークス
    現代権力論批判』(未来社
  3. 『監獄の誕生』ミシェル・フーコー
    監獄の誕生 ― 監視と処罰』(新潮社)
  4. 『権威と反抗』レナード・クリーガー
    権威と反抗 (叢書 ヒストリー・オブ・アイディアズ)』(平凡社
  5. 『支配の諸類型』マックス・ウェーバー
    支配の諸類型 (経済と社会)』(創文社
  6. 『資本主義・社会主義・民主主義』ジョセフ・A・シュムペーター
    資本主義・社会主義・民主主義』(東洋経済新報社
  7. 『大衆の反逆』オルテガ・イ・ガセット
    大衆の反逆 (ちくま学芸文庫)』(筑摩書房
  8. ポリアーキー』ロバート・A・ダール
    ポリアーキー』(三一書房
  9. 『コミュニケイション的行為の理論』ユルゲン・ハーバーマス
    コミュニケイション的行為の理論 上』(未来社

    コミュニケイション的行為の理論 中

    コミュニケイション的行為の理論 下
  10. 『市民権とは何か』デレック・ヒーター
    市民権とは何か (岩波人文書セレクション)』(岩波書店
  11. 『シティズンシップと社会的階級』T・H・マーシャル
    シティズンシップと社会的階級―近現代を総括するマニフェスト』(法律文化社
  12. 第三の道アンソニー・ギデンズ
    第三の道―効率と公正の新たな同盟』(日本経済新聞社
  13. 『日本の新たな「第三の道」』アンソニー・ギデンズ、渡辺聰子
    日本の新たな「第三の道」』(ダイヤモンド社
  14. プログレッシヴ・マニフェスト中道左派のための新しいアイデアアンソニー・ギデンズ編著
    The Progressive Manifesto: New Ideas for the Centre-Left
  15. 市民社会民主主義への挑戦』山口二郎ほか
    市民社会民主主義への挑戦―ポスト「第三の道」のヨーロッパ政治』(日本経済評論社

第3章 差異と平等をめぐる論争

  1. 資本論カール・マルクス

    資本論 1 第1巻 第1分冊』(新日本出版社

    資本論 2 第1巻第2分冊

    資本論 3 第1巻 第3分冊 第3分冊

    資本論 4 第1巻 第4分冊

    資本論 5 第2巻 第1分冊

    資本論 6 第2巻 第2分冊 第6分冊

    資本論 7 第2巻第3分冊

    資本論〈8〉

    資本論〈9〉

    資本論〈10〉

    資本論〈11〉

    資本論〈12〉

    資本論〈13〉
  2. 「承認をめぐる政治」チャールズ・テイラー
    マルチカルチュラリズム』(岩波書店
  3. 『多文化時代の市民権』ウィル・キムリッカ
    多文化時代の市民権―マイノリティの権利と自由主義』(晃洋書房
  4. 『正義と差異の政治』I・M・ヤング
    Justice and the Politics of Difference
  5. アイデンティティ\差異』ウィリアム・E・コノリー
    アイデンティティ\差異―他者性の政治』(岩波書店
  6. 『変わるイスラーム』レザー・アスラン

    変わるイスラーム 〔源流・進展・未来〕』(藤原書店
  7. 『仮想戦争』レザー・アスラン

    仮想戦争 〔イスラーム・イスラエル・アメリカの原理主義〕』(藤原書店
  8. 『Beyond Fundamentalism(原理主義を超えて)』レザー・アスラン

    Beyond Fundamentalism: Confronting Religious Extremism in the Age of Globalization
  9. 『人権宣言(人および市民の権利宣言)』フランス
  10. 『女性および女性市民の権利宣言』オランプ・ド・グージュ
  11. 『女性の解放』J・S・ミル

    女性の解放 (岩波文庫 白 116-7)』(岩波書店
  12. 『新しい女性の創造』ベティ・フリーダン

    新しい女性の創造』(大和書房)
  13. 『性の政治学』ケイト・ミレット

    性の政治学』(ドメス出版)
  14. 『正義・ジェンダー・家族』スーザン・M・オーキン

    正義・ジェンダー・家族』(岩波書店
  15. 『触発する言葉』ジュディス・バトラー

    触発する言葉―言語・権力・行為体』(岩波書店
  16. 『もうひとつの声』キャロル・ギリガン

    もうひとつの声―男女の道徳観のちがいと女性のアイデンティティ』(川島書店
  17. 『シッコ』マイケル・ムーア

    スマイルBEST シッコ スタンダード・エディション [DVD]』(DVD)
  18. 『福祉資本主義の三つの世界』イエスタ・エスピン=アンデルセン

    福祉資本主義の三つの世界 (MINERVA福祉ライブラリー)』(ミネルヴァ書房
  19. 『不平等の再検討』アマルティア・セン

    不平等の再検討―潜在能力と自由』(岩波書店

第4章 共同体をめぐる論争

  1. 君主論』ニッコロ・マキアヴェッリ
    新訳 君主論 (中公文庫BIBLIO)』(中央公論新社
  2. ドイツ国民に告ぐ』フィヒテ

    ドイツ国民に告ぐ (岩波文庫)』(岩波書店
  3. 『国民とは何か』エルネスト・ルナン

    国民とは何か』(インスクリプト
  4. 『民族とナショナリズム』アーネスト・ゲルナー

    民族とナショナリズム』(岩波書店
  5. 『想像の共同体』ベネディクト・アンダーソン

    定本 想像の共同体―ナショナリズムの起源と流行 (社会科学の冒険 2-4)』(書籍工房早山)
  6. 『ネイションとエスニシティアントニー・D・スミス

    ネイションとエスニシティ―歴史社会学的考察―』(名古屋大学出版会)
  7. 『法の哲学』ヘーゲル

    法の哲学〈1〉 (中公クラシックス)』(中央公論新社

    法の哲学〈2〉 (中公クラシックス)
  8. 『公共性の構造転換 第二版』ユルゲン・ハーバーマス

    公共性の構造転換―市民社会の一カテゴリーについての探究』(未来社
  9. 市民社会と政治理論』コーエン、アレート共著

    Civil Society and Political Theory (Studies in Contemporary German Social Thought)
  10. 『孤独なボウリング』ロバート・D・パットナム

    孤独なボウリング―米国コミュニティの崩壊と再生』(柏書房
  11. 『コミュニティ』R・M・マッキーヴァー

    コミュニティ―社会学的研究:社会生活の性質と基本法則に関する一試論 (ミネルヴァ・アーカイブズ)』(ミネルヴァ書房
  12. 『コミュニティを問いなおす』広井良典

    コミュニティを問いなおす―つながり・都市・日本社会の未来 (ちくま新書)』(筑摩書房
  13. 『公共哲学』シリーズ(東京大学出版会

    公共哲学〈1〉公と私の思想史佐々木毅、金泰昌

    公共哲学〈2〉公と私の社会科学佐々木毅、金泰昌

    公共哲学〈3〉日本における公と私佐々木毅、金泰昌

    公共哲学〈4〉欧米における公と私佐々木毅、金泰昌

    公共哲学〈5〉国家と人間と公共性佐々木毅、金泰昌

    公共哲学〈6〉経済からみた公私問題佐々木毅、金泰昌

    公共哲学〈7〉中間集団が開く公共性佐々木毅、金泰昌

    公共哲学〈8〉科学技術と公共性佐々木毅、金泰昌

    公共哲学〈9〉地球環境と公共性佐々木毅、金泰昌

    公共哲学〈10〉21世紀公共哲学の地平佐々木毅、金泰昌

    公共哲学 (11) 自治から考える公共性西尾勝、金泰昌、小林正弥

    公共哲学〈12〉法律から考える公共性』長谷部恭男、金泰昌

    公共哲学 (13) 都市から考える公共性』今田高俊、金泰昌

    公共哲学〈14〉リーダーシップから考える公共性小林良彰、金泰昌

    公共哲学 (15) 文化と芸能から考える公共性』宮本久雄、金泰昌

    公共哲学〈16〉宗教から考える公共性』稲垣久和、金泰昌

    公共哲学〈17〉知識人から考える公共性』平石直昭、金泰昌

    公共哲学 (18) 組織・経営から考える公共性』山脇直司、金泰昌

    公共哲学〈19〉健康・医療から考える公共性』市野川容孝、金泰昌

    世代間関係から考える公共性 (公共哲学)』鈴村興太郎、金泰昌、宇佐美誠
  14. 『人間の条件』ハンナ・アレント

    人間の条件 (ちくま学芸文庫)』 (筑摩書房
  15. グーテンベルク銀河系の終焉』ノルベルト・ボルツ

    グーテンベルク銀河系の終焉―新しいコミュニケーションのすがた (叢書・ウニベルシタス)』 (法政大学出版局

第5章 対立をめぐる論争

  1. グローバル化と反グローバル化』デヴィッド・ヘルド
    グローバル化と反グローバル化』(日本経済評論社
  2. 『デモクラシーと世界秩序』デヴィッド・ヘルド
    デモクラシーと世界秩序―地球市民の政治学 (叢書「世界認識の最前線」)』(NTT出版
  3. 『グローバル・シティ』サスキア・サッセン
    グローバル・シティ―ニューヨーク・ロンドン・東京から世界を読む』(筑摩書房
  4. 『万民の法』ジョン・ロールズ

    万民の法』(岩波書店
  5. 『国際秩序と正義』ベイツ

    国際秩序と正義』(岩波書店
  6. 『なぜ遠くの貧しい人への義務があるのか』トマス・ポッゲ

    なぜ遠くの貧しい人への義務があるのか―世界的貧困と人権』(生活書院)
  7. 『正しい戦争と不正な戦争』マイケル・ウォルツァー

    正しい戦争と不正な戦争』(風行社)
  8. 『戦争を論ずる』マイケル・ウォルツァー

    戦争を論ずる―正戦のモラル・リアリティ』(風行社)
  9. 『人権の政治学』マイケル・イグナティエフ

    人権の政治学』(風行社)
  10. テロリズム―その論理と実態』ジョナサン・バーカー

    テロリズム―その論理と実態』(青土社

目次
はじめに いまなぜ政治哲学なのか
第1章 自由をめぐる論争
1 幸福を最大化すればすむのか?――功利主犠
いじめとイケニエ/ベンサムとミル/どれだけ納得できるかが問題/生き伸びる功利主義/有限な社会の憂鬱
2 無条件の義務とは?――カント倫理学
人命救助は義務か?/功利主義批判/定言命法/理性の国家/道徳に溢れる社会
3 正義とは何か?――リベラリズム
家庭が貧しい人は大学に入りやすくする!?/リベラリズムの系譜/ロールズの『正義論』/現代に生きるロールズ/善への近接化?
4 共通善なんてあるのか?――コミュニタリアニズム
なぜ中絶はいけないのか?/リベラル・コミュニタリアン論争/サンデルの登場/マッキンタイア、テイラー、ウォルツァー/多様化する論争と実践的な社会運動への展開
第2章 民主主義をめぐる論争
6 私たちは何に従うのか?――権力
もし権力がなかったら/権力とは何か?/権力の正当性/見えない権力/権威との違い
7 なぜ政治に関わらなければならないのか?――デモクラシー
政治家は市民より正しいのか?/デモクラシーとは何か?/エリート民主主義からの問題提起/ダールのポリアーキー/参加型民主主義の時代/望ましいデモクラシー
8 何のために話し合うのか?――熟議民主主義
なぜ話し合いが必要なのか?/熟議とは何か?/ハーバーマスの熟議民主主義/ラディカル・デモクラシー/熟議は国境を越えるか?
9 市民とは誰か?――シティズンシップ
外国人参政権問題/いまなぜシティズンシップが求められるのか?/シヴィックリパブリカン型シティズンシップ/リベラル型シティズンシップ/世界市民的シティズンシップ
10 効率と公正は二者択一か?――第三の道
税金が安いのに、福祉が手厚いバラ色の社会/第三の道とは/ギデンスの理論/日本の新たな「第三の道」/ポスト第三の道
第3章 差異と平等をめぐる論争
11 みな平等だといけないのか?――社会主義
お金か平等か/空想的社会主義マルクス主義/アナリティカル・マルキシズム
12 差異は共存しうるのか?――多文化主義
もし日本人がマイノリティになったら/テイラーの承認論/リベラルな多文化主義/差異の政治
13 なぜ宗教は衝突するのか?――宗教多元主義
下着の着用を禁じられたらどうする?/宗教多元主義とは何か?/変わるイスラーム/仮想戦争/ブルカの禁止とモスク建設
14 なぜ男女は反目し合うのか?――フェミニズム
なぜどちらかの性が優位になるのか?/第一波フェミニズム/第二波フェミニズムフェミニズム理論の今日的継承/ケアの倫理
15 国家はどこまで面倒を見るべきか?――福祉国家
病院に行かずにがまんできますか?/福祉国家の意義と起源/エスピン=アンデルセンの三つのレジーム/センのケイパビリティ
第4章 共同体をめぐる論争
16 どうして国家に愛着を感じるのか?――国家
日本人とは何か?/国家とは何か?/ネーションとは何か?/ナショナリズムの起源/ナショナリズムの二つの類型
17 市民社会の役割とは何か――市民社会
市民社会とは何か?/市民社会の四つの概念/ヘーゲル市民社会/現代の市民社会論/コーエンとアラートの三項論/パットナムの社会関係資本
18 地域社会は再生するのか?――コミュニティ
孤独死と幼児虐待/コミュニティの定義/デランティの理論/コミュニティの変容/コミュニティを問い直す
19 私と社会をいかにつなぐか?――公共性
いまなぜ公共性なのか?/公共性の起源と現代の公共哲学/アーレントの「現れの空間」/ハーバーマスによる公共性の構造転換/市民的公共圏への対抗
第5章 対立をめぐる論争
20 本当に地球は一つになったのか?――グローバリゼーション
地球は一つか?/グローバリゼーションとは何か?/三つの立場/コスモポリタン社会民主政/サッセンのグローバル・シティ
21 なぜ他国の貧困に手を差し伸べるのか?――グローバルな正義
貧困の放置/正義の普遍性をめぐる論争/ロールズの限界/コスモポリタンの正義論/後ろめたさを超えて
22 正しい戦争なんてあるのか?――正戦論
日本が爆撃されたらどうするか?/正戦をめぐる歴史/ウォルツァーの正戦論/ロールズの『万民の法』/イグナティエフの「人道的介入」
23 テロに同情していいのか?――テロリズム
彼らは自由の闘士か?/定義の困難さ/ウォルツァーのテロ批判/イスラームとテロ/9・11をめぐる言説

おわりに 正しく生きるために

主な引用・参考文献リスト

本書に登場する政治哲学関係人名索引