オバマ氏が言及したtyrannyとは
⇒The Associated Press: President-elect Barack Obama's remarks in Chicago
OBAMA: When the bombs fell on our harbor and tyranny threatened the world, she was there to witness a generation rise to greatness and a democracy was saved. Yes we can.
AUDIENCE: Yes we can.
finalvent 氏はこれを次のように翻訳した。
⇒Yes you can
この米国の真珠湾に爆弾が落下し、日本の独裁が世界を恐怖で支配しようとしたとき、時の米国民が立ち上がり、偉業を達成し、そして民主主義を救うのをクーパーさんは見ていました。Yes we can。私たちにはできるのです。
このコメントに対して小飼弾氏は反論した。
⇒The enemy we share
確かに"the harbor"が真珠湾であることは間違いない。しかしtyrannyが指しているのは、「日本の独裁」じゃないよ。主としてナチス。少し広げて枢軸国。スターリンも入っているかも知れない。
さらに小飼氏の反論に対するfinalvent氏の反論があった。
真珠湾があって、その文脈で tyranny が来ているのに、「日本の独裁」じゃないという読みは、いかがなものかですよ。 tyranny という言葉は、「専制政治」を意味する。米国人にとってこれは暴君(tyrant)の存在が前提になる。そして彼らの目から見て、当時の日本には、tyrantとしての東條英機がいた(天皇もそう見られることがある)。
くどいけど、米人にとって、東條英機はtyrantであり、だから、当時の日本はtyrannyと見られている。
果たして、tyranny の意味するところは、「日本の独裁」と「日本以外の独裁」とのどちらかに限定される二者択一の問題なのか?
普通に読めば、無冠詞の tyranny なので、特定の独裁を指すのではなく、抽象的な意味で「独裁」と言ったに過ぎない、と解釈できるはずだ。
よって、私は、finalvent氏の説も小飼弾氏の説もどちらも誤りだと断言する。