テキストとテキストブック

テキストも読もうよ、テキストブックだけじゃなくて

「テキストブック」と「テキスト」の違いは、「日本語が亡びるとき」を一読いただくとして、別のいい方をすれば「ノンフィクション」と「フィクション」となるだろうか。「読み物」と「物語」の違いと言ってもいい。

この両者の違いは何か、といえば、行間を読む必要があるかないか。テキストブックでは、行間を読むのは罪悪でもある。なまじ行間を読んだら、教師に減点される。

この小飼氏の説明が、わざとじゃないかと思うくらい、解りにくい。
もどかしいので、水村美苗氏の「日本語が亡びるとき―英語の世紀の中で」を読んでみた。

くり返すが、この世には二つの種類の <真理> がある。別の言葉に置き換えられる <真理> と、別の言葉には置き換えられない <真理> である。別の言葉に置き換えられる <真理> は、教科書に置き換えられる <真理> であり、そのような <真理> は、 <テキストブック> でこと足りる。ところが、もう一つの <真理> は、別の言葉に置き換えることができない。それは、 <真理> がその <真理> を記す言葉そのものに依存しているからである。その <真理> に到達するには、いつも、 そこへ戻って読み返さねばならない <テキスト> がある。

ここを読んだ方が、小飼氏のまどろっこしい説明を読むより、はるかに解りやすい。