波波迦の木の葉が緩(ゆっくり)と揺れている。彼女は襲衣(おすい)を肩まで滑(すべ)し、爪立って黒葛(つづら)巻の細刀を波波迦の木の枝に当て、押し切った。 宙に舞う糠の様な粉を払い退け、腰の帯に枝を挟み入れて彼女は手近の枝へと移った。 直截な…
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