現代の経済理論

ミクロ経済学については、本のp.162でもその趣旨を記していますが、「ほぼすべての分野における経済理論のゲーム理論による書き換え」が1980年代に起こります。この点については、もう15年前の本ですが、神取道宏「ゲーム理論による経済学の静かな革命」岩井克人伊藤元重編『現代の経済理論』東京大学出版会、1994年を参照して下さい。

世界的にケインズ政策が復活しているという迷信--池尾和人 – アゴラ

現代の経済理論

現代の経済理論

はしがき
序 経済理論の新展開  岩井克人伊藤元重
1. はじめに
2. 完全競争の世界のミクロ経済理論
3. ゲームの理論
4. 独占的競争理論
5. 不完全情報
6. マクロ経済学の新展開


ゲーム理論による経済学の静かな革命  神取道宏
1. 鍵を探す男
2. 新古典派が見落としたもの---社会の中での意思決定の難しさ
3. 混乱の収拾---合言葉は「ナッシュでいこう!」
4. 人はなぜナッシュ均衡を選ぶのか
5. ゲーム理論がもたらした経済学の変貌
6. 結びに代えて---将来への展望


II. 過去, 現在,未来:繰り返しゲームと経済学  松島斉
1. はじめに
 完全モニタリングのケース
2-1 暗黙の協調:数値例による説明と寡占市場分析への応用
2-2 任意の割引ファクターの下での完全均衡経路特定化命題
2-3 参入阻止:集中度と市場価格との相関関係
2-4 寡占市場における景気変動の効果
3.不完全モニタリングのケース
3-1 secret price cuts
3-2 異業種多角化の協調促進効果
3-3 dynamic programming decomposition による特定化命題
3-4 folk 定理の展開
3-5 私的情報の役割


III. 独占的競争の一般均衡モデル  松山公紀
1. はじめ
2. 独占的価格設定による歪みと乗数プロセス
3. 製品の種類の拡大と規模の経済性
4. 補完性と集中化
5. 経済成長・発展における循環的・累積的な相互依存関係
6. 結語


IV. 戦略的通商政策と通商問題  伊藤元重
1. はじめに
2. 簡単なクールノモデルによる確認
3. 戦略的行動と政策の影響
4. 動学的寡占モデル
5. 輸出自主規制のカルテル効果
6. 政策決定と民間の対応
7. 結語


V. 貨幣と信用の理論  清滝信宏
1. はじめに
2. 貨幣の理論
3. 信用の理論---信用と資源配分
4. 信用と景気循環
5. 結論


VI. 一般均衡理論の動学的展開---安定性とカオスをめぐって  矢野誠
1. はじめ
2. モデル
3. 競争均衡の最適性と均衡動学系
4. 根岸の存在証明
5. カオス的景気変動か長期的安定か
6. ターンパイク定理
7. 動学的一般均衡モデルの応用例
数学的補論


VII. 経済成長論  岩井克人
1. はじめに
2. ハロッドの経済成長モデル
3. 経済成長に関する6つの定型化された事実
4. ソロー型の新古典派成長モデル
5. ソロー型成長モデルと技術進歩
6. 黄金律と動学的非効率性
7. 最適成長モデル
8. 分権的成長経路の最適性
9. 知識資本と内生的成長モデル
10. 世代重複モデル
11. 貨幣的成長モデル