PLUTOCRATS(グローバル・スーパーリッチ: 超格差の時代)

J-CAST の連載「霞ヶ関官僚が読む本」の記事「グローバル特権階級の実態 その「過大な影響力」とは」がよく読まれているようだけれども、同じ PLUTOCRATS(クリスティア・フリーランド著)を扱った記事であれば、TED の講演をまとめたこちらの記事(「世界で拡大中の経済格差の原因と対策。「PLUTOCRATS」著者クリスティア・フリーランドの講演(TED Conference)。」の方が参考になると思う。
フリーランド女史は1968年生まれのカナダ人で、両親は二人とも弁護士(母親はウクライナ系)。イタリア北東部のアドリアティック・カレッジ(2年制のインターナショナル・スクール)に通った。その後ハーバード大学へ進学し学士号(ロシア史・文学)を取得する。ついで、ローズ奨学生としてオックスフォード大学セント・アントニー校に進み修士号(スラヴ学)を得た。現在はロイター通信社のグローバル・エディターを務めるが、過去にはフィナンシャル・タイムズの米国マネジングエディターを務めた経験もある。

著書の Plutocrats: The Rise of the New Global Super-Rich and the Fall of Everyone Else は、2013年のライオネル・ゲルバー賞や2013年 National Business Book Award(カナダ)を受賞している。plutocrat とは「富の力で権力を行使する者」の意である。

Plutocrats: The Rise of the New Global Super-Rich and the Fall of Everyone Else

Plutocrats: The Rise of the New Global Super-Rich and the Fall of Everyone Else

[追記]日本語版が発売されました。

グローバル・スーパーリッチ: 超格差の時代

グローバル・スーパーリッチ: 超格差の時代

クリスティア・フリーランド
1968年、カナダ・アルバータ州生まれ。ハーヴァード大学卒業後、ローズ奨学生としてオックスフォード大学セント・アントニーズ・カレッジに学び、修士号を取得。フリージャーナリストとなり、《フィナンシャル・タイムズ》《ワシントン・ポスト》《エコノミスト》などに寄稿した。その後、《フィナンシャル・タイムズ》のモスクワ支局長やトムソン・ロイター、《グローブ・アンド・メール》のエディター、コラムニストを務める。他の著作に『世紀の売却――第二のロシア革命の内幕』がある。本書は《フィナンシャル・タイムズ》のベストブック・オブ・ザ・イヤーに選ばれたほか、2013年ライオネル・ゲルバー賞、カナダのナショナル・ビジネス・ブック賞を受賞。 2013年7月、ジャーナリストとしての職を辞し、カナダ自由党から政界進出を目指すことを発表した。
中島由華
翻訳家。早稲田大学文学部英文学科卒業。出版社勤務を経て翻訳業に。訳書にシェンク『天才を考察する「生まれか育ちか」論の嘘と本当』、ハウ『クラウドソーシングみんなのパワーが世界を動かす』、クライスト『魔獣の鋼鉄黙示録 ヘビーメタル全史』(以上早川書房刊)、スミス『都市の誕生 古代から現代までの世界の都市文化を読む』、エーレンライク『ポジティブ病の国、アメリカ』他。

目次
1 これまでの歴史と、その重要性について
2 プルトクラート文化
3 スーパースター
4 革命への対応
5 レントシーキング
6 プルトクラートとそれ以外の人びと
結論
謝辞
訳者あとがき
参考文献