中国食品を見破れ スーパー・外食メニュー徹底ガイド

日本の数千倍の土壌汚染

 表の右側の「土壌汚染対策法の基準値」は〇二年に公布された日本の土壌汚染の基準値だが、この数字と長江河口の「検査数値」を比較していただきたい。水銀は二百四十四倍、鉛は三千五百倍、ヒ素は一千四百九十五倍、カドミウムでも四・二倍と、日本基準と比較にならないほど高い。
 重金属だけではない。DDTやBHCなどの有機塩素系化合物も高い。これらは農薬として使用されたが、いずれも発がん性があるとして七一年以降は世界で使用が禁止されている。それにもかかわらず、BHCは基準値の約五十九倍という高い数値が検出されている。
 もうひとつ気になることがある。日本にくらべて中国の汚染基準値はあまりにもゆるすぎることだ。
「中国は全土で農地の汚染が進んでいるため、これぐらい基準をゆるくしないと農作物は作れないからです」(同前)

検査項目地点A(mg/L)地点B(mg/L)中国の有機食品の汚染限度(mg/L)中国の安全有機食品の汚染限度(mg/L)土壌汚染対策法(日本)の基準値(mg/L)
pH8.048.227.5以上7.5以上
カドミウム0.0420.01561.00.400.01
水銀0.1220.1961.00.350.0005
ヒ素14.95412.17525200.01
35.2423.60350500.01
クロム101.2574.702501200.05
53.0839.20水田100
果樹園200
60土壌1kgにつき125mg未満
有機塩素BHC0.14730.11450.50.50.0025
有機塩素DDT0.003550.004750.50.50.0125

 中国産鶏肉で問題なのは抗生物質だけではない。それよりもはるかに怖いのが有機塩素である。DDTやBHCなどの有機塩素系農薬や殺虫剤は毒性が問題となり、七〇年代に世界中で禁止され、日本ではほとんど検出されなくなった。だが中国の土壌ではいまだに有機塩素が高レベルで残留している。
 元富山大学副学長の鏡森定信氏はいう。
有機塩素系は神経を侵します。いちばん怖いのは発がん作用です。脂肪に蓄積しやすく、肝臓など脂肪組織のあるところに集まります。肝臓で濃縮されたら肝機能障害を発症します。非常に危険な化合物です」
 昨年、印刷会社の元従業員が胆管がんを発症し、少なくとも八人が死亡して大きな社会問題になったが、その原因といわれた有機溶剤も有機塩素化合物だ。

 じつは有機塩素による汚染の影響が深刻なのは、米よりも鶏肉のほうなのだ。有機塩素に汚染された土壌に植えた穀物からは、必ず有機塩素が検出される。
「たとえば残留BHCが〇・一四(mg/L)の土壌にトウモロコシを植えると、トウモロコシからほぼこの数値が検出されます。これを鶏に食わせると、約十倍に濃縮されます」(前出・獣医)
 それだけではない。
「採卵鶏は二年近く飼育しますから、有機塩素で汚染されたトウモロコシを食べさせるとかなり蓄積されます。その後廃鶏は食用として販売し、その残滓を肉骨粉にしてブロイラーや採卵鶏に食べさせますから、さらに生態濃縮されます」(前出・高橋教授)
 こうした危険な中国産鶏肉が日本の検疫でチェックされるかというと、「通常、重金属や有機塩素は検査しません」と検査員がいう。われわれは知らず知らずのうちに有機塩素を体内に入れているのである。

 もちろん、問題は日本マクドナルドだけではない。中国産鶏肉調整品の代表例は、唐揚げ、焼き鳥、フライドチキン、チキンナゲット、ミートボール、竜田揚げだ。輸入された二十二・二万トンのうち、半分は外食産業で消費されている。
 消費者が中国産鶏肉を食べている意識がないのは、「外食産業の場合は表示義務がないことや、味付けしたものや加工食品はほぼ表示義務がない」(食品表示アドバイザーの垣田達哉氏)からである。
 あるオーガニック検査員はこう警告する。
 「最大のリスクは、中国という国に、日本人の食と健康を預けてしまっていることです。安いから中国産を食べるというのは、それなりの覚悟を伴うということ。それでもあなたは中国産を食べますか?」

中国食品を見破れ スーパー・外食メニュー徹底ガイド

中国食品を見破れ スーパー・外食メニュー徹底ガイド

目次(+α)
中国産から身を守るためのQ&A
見破る徹底ガイド①
スーパー編
どの食材が中国産なのか
青果
長ねぎ、にんじん、大葉、しいたけ、ごぼう、にんにくの芽、スナップエンドウ、しょうが、きぬさや、まつたけ
青果加工品
たけのこ水煮、山菜ミックス水煮、福神漬、梅干し、ショウガ甘酢漬け
魚介類
イカ、タコ、むき身エビ、フグ、赤貝、あさり、ウニ、はまぐり、ブリ切り身
水産加工品
ウナギ蒲焼、カニ風味かまぼこ、サワラの西京漬け、ちくわ
肉類加工品
ソーセージ、ハム、チャーシュー、蒸し鶏、ハンバーグ
乾物・茶
かんぴょう、そば、干ししいたけ、とうがらし、きくらげ、ウーロン茶、緑茶、雑穀米、花椒ビーフ
加工食品
ナポリタンパスタソース、ボンゴレパスタソース、インスタント味噌汁、レトルトカレー、春雨スープ
缶詰・瓶詰
ホワイトアスパラガス、マッシュルーム、果実シロップ漬け、ずわいがにフレーク、味付けメンマ
お菓子
せんべい、むき甘栗、カリカリ梅、さきいか、はちみつ、柿ピー
冷凍食品
枝豆、カットねぎ、ミックスベジタブル、たこやき、餃子、エビフライ、アジフライ、鶏の唐揚げ、とんかつ
より深く知るために①
中国「猛毒米」が日本人を破壊する 奥野修司
見破る徹底力イド②
外食チェーン
どのメニューに
中国産が入っているのか
ファストフード
マクドナルド(原産地)、ファーストキッチン(原産国)、ロッテリア・・・4つのメニューで使用している(さくさくソーセージロール、玉ねぎ、オイスターソース、クエン酸)、バーガーキング(原産地)、KFC(原産地)、モスバーガー(原産地)、サブウェイ・・・一部の香辛料・調味料に中国産を使用している、フレッシュネスバーガー(原産地)、ミスタードーナツ(原産地)・・・8つのメニューで使用している(玉ねぎ、ザーサイやタケノコなど具材、茶葉)
牛丼
吉野家・・・3つのメニューで使用している(玉ねぎ、鶏肉、うなぎ)、松屋(原産地)、神戸らんぷ亭・・・回答なしすき家(産地)・・・一部使用している、なか卯(冷凍食品の原産地:右下)・・・一部使用している、東京チカラめし・・・全メニューの1割弱が中国産(ねぎ、にんにく、キムチ)
ファミリーレストラン
デニーズ(産地)、サイゼリヤ(原産地)、ロイヤルホスト(原産地)、ガスト(調達米産地)、ジョナサン(調達米産地)・・・一部の食材と加工食品で使用している、ビッグボーイ(産地)、けん・・・回答なしジョイフル(原産地)、びっくりドンキー(原産地)・・・4つのメニューで使用している(イチゴソース、キウイソース、アスパラガスピクルス)、ココス・・・一部で使用している、夢庵(調達米産地)・・・一部の食材と加工食品で使用している、華屋与兵衛・・・一部で使用している、和食さと・・・回答なしバーミヤン(調達米産地)・・・一部の食材と加工食品で使用している(例:米)、ジョリーパスタ・・・一部で使用している、藍屋(調達米産地)・・・一部の食材と加工食品で使用している、カプリチョーザ(原産地)
寿司
かっぱ寿司(原産地)、小僧寿し・・・9点で中国産を使用している(アナゴ、鰻、たこ、ガリなど)、スシロー(原産地)、くら寿司(原産地)、すし銚子丸(原産国)、平禄寿司(産地)、元気寿司(原産地)、京樽・・・食材が多いため回答していないが、お客様の問い合わせには対応する
中華
餃子の王将(原産地)、日高屋(産地)、幸楽苑(原産地)・・・回答なし大阪王将(産地)・・・回答なし中華東秀・・・取扱い全食材の20%弱が中国産(わかめ、オイスターソース)、リンガーハット(原産地)
ピザ・カレー
ピザハット(原産地)、ドミノ・ピザ・・・回答なしピザーラ(原産地)、CoCo壱番屋(原産地)、カレーのチャンピオン・・・2つのメニューで使用している(香辛料及び玉ねぎなどの野菜)、ゴーゴーカレー・・・回答なし
そば・うどん
富士そば・・・回答なし小諸そば・・・回答なし都そば・・・回答なしはなまるうどん(原産地)、杵屋(原産地)、山田うどん・・・5つのメニューで使用している(長ねぎ、玉ねぎ、玄そば、メンマ、キュウリ)。にんじんの一部も中国産、丸亀製麺・・・4つのメニューで使用している(いか、玉ねぎ、梅)
カフェ
スターバックスコーヒー(原産地)、ドトールコーヒーショップ・・・回答なしプロント(産地)、カフェ・ベローチェ・・・使用なし、サンマルクカフェ(原産地)、エクセルシオールカフェ・・・回答なし
居酒屋
和民・・・2品目で使用している(冷凍野菜加工品、タコ・イカ類加工品)。量としては全体の1%程度、白木屋・・・2品目で使用している(おろしにんにく、おろししょうが)。加工食品以外の生鮮食品では、中国産は使用していない、甘太郎・・・回答なし庄や・・・原則として使用していない、村さ来・・・回答なし東方見聞録・・・3つ以上のメニューで使用している(玉ねぎ、にんにく、キムチ、いんげん)。全体の1割弱、笑笑・・・2品目で使用している(おろしにんにく、おろししょうが)。加工食品以外の生鮮食品では、中国産は使用していない、八剣伝(原産地)、土間土間・・・回答なしさくら水産・・・季節により変動がある(にんにく、しょうがなど)、鳥貴族・・・5つ以上のメニューで使用している(白ねぎ、玉ねぎ、しょうが、にんじん、レンコン、ごぼう、わかめ)、天狗・・・3品目以上で使用している(玉ねぎ、長ねぎ、にんにく、しょうが、梅干)。主材料として使用しているメニューはない、はなの舞・・・5つのメニューで使用している(大葉、あさり、塩田海老、玉ねぎ)
定食・丼
やよい軒(原産地)、大戸屋・・・6つのメニューで使用している(冷凍レンコン、あさり、ひじき、わかめ、とうがらし)。他にたまねぎ、にんじん、長ねぎなど、最大で18品程度使用、まいどおおきに食堂・・・回答なしかつや・・・回答なしてんや(原産地)
弁当
ほっかほっか亭・・・3つ以上のメニューで使用している(白身魚、サケ、椎茸昆布煮)、オリジン弁当・・・中国産使用率は20%弱(うなぎ、さといも、ブロッコリー)、ほっともっと(原産地都道府県ごとに掲載している。<例>東京都、*注意:一度、都道府県を選ぶと固定されるので、別の都道府県を見たいときは、右上の「この都道府県を常に表示するようにする」のチェックを外すこと)、本家かまどや・・・冷凍野菜と鶏肉加工品で使用している
より深く知るために②
マクドナルドの中国産鶏肉が危ない 奥野修司
中国食品・生産現場の実態
安全のために食品の「加工度」を下げよう 高橋五郎
おわりに