わがや電力 〜 12歳からとりかかる太陽光発電の入門書 - テンダー
本書『わがや電力』の著者は、テンダーこと小崎悠太。元バーテンダーで、今は南さつま市金峰町長谷集落に移り住み、そこで「電気・水道・ガス契約ナシ」の生活をしている。自称ヒッピーだが、完全に原始的な暮らしをしているわけではなく、太陽光発電を利用した生活を送っている。インターネット上では「ヨホホ研究所」という自身のサイトで自ら情報発信もしている。
詳しくはFNSドキュメンタリー大賞を受賞した「テンダーの思い」を見るといい。彼の社会に対する考え方などが分かる。
電気じゃないとできないことと、
電気じゃなくてもできること
電気が今ほど広まる前は、暮らしに必要なエネルギーは人力か、動物の力か、もしくは火や水や太陽などの自然の力でまかなっていた。今では科学が進み、暮らしの仕事の大部分を電気でするようになった。その仕事を分類すると、
1.熱を出すもの
2.電磁波で調理をするもの
3.モーターを回転させるもの
4.光を出すもの
5.たくさんの計算をするもの
6.送信をするもの
の6つに分けられる。さらに、電気のできる仕事にはふたつの見方があるとぼくは思う。ひとつは、電気でしかできないもの。もうひとつは、電気を使うことによって、ラクができる・もしくは効率か上がるもの。6つの分類を順番に見てみよう。
1.熱を出すもの たとえばファンヒーターやホットカーペット、電気ポットなんかがそうだ。当たり前に使っているかもしれないけれど、実はこれらは、とても効率の悪い道具だ。
なぜかというと、発電所から送られてくる電気のほとんどは、さまざまな燃料を燃やした熱からできているからなんだ(※1)。
元々の燃料が持っているエネルギーを、火力発電所は35%〜43%、原子力発電所は33%しか電気に変換できない。半分以上のエネルギーは捨ててしまう上に、できた電気をもう一度熱に変えるとき、さらにロスが出る。かたやガスは、元々ガスのもっているエネルギーの80%以上を熱に変えることができる。
つまり電気でものを温めるより、ガスを燃やした方がはるかに効率がいい。よってわがや電力では、ものを温めるためには火を使う(※2)。
テンダー
1983年生。火起こしから電子回路まで、先人の技術を引き継ぐ1万年目のこども。環境問題や争いを解決する手段として、先住民技術と対話を重んじる。職業はヒッピー。
購入は著者のホームページから
http://yohoho.jp/wagaya#wagaya-chumon-form
「わがや電力」目次
この本を手にしたきみへ
わがやスピリッツ
1章「わがや電力」
これがわがや電力だ!
わがや電力ってなあに?
どうしたらわがや電力を作れるの?
わがや電力のしくみ
2章「電気のしくみ」
電気じゃないとできないことと、電気じゃなくてもできること
電圧について
電流について
どれだけ電気を使うか?ワットという単位
ワットが大きいということ
直流と交流
通電について
ショートとは
3章「わがや電力で使う部品」
4章「わがや電力の作り方 実践編」
わがや電力に必要な道具と素材の一覧
1.バッテリーとコントローラーをつなげよう
2.ソーラーパネルとコントローラーをつなげよう
3.複数連シガーソケットとコントローラーをつなげよう
わがやヒントその② わがや電力は資格がいらない
4.LEDを光らせよう
5.わがや電力を使う
6.チャージコントローラーの使いかた(VS2024Nの場合)
覚えておきたい! わがや電カスキル集1.ハンダづけをする
2.熱収縮チューブで絶縁する
3.ビニールテーブを巻く
4.被覆のむき方① 「ニッパー」
5.被覆のむき方② 「電工ペンチ」
6.メッキする
7.スイッチのつなぎかた
8.シガープラグを組み立てる
9.ケーブルを窓に通す
10.テスターで電圧を測る
11.テスターで過電チェック
12.インバーターの使い方
わがやヒントその③ 端子の圧接
5章「いつか大人になるきみへ」
「地球に暮らす」