カーネギー 心を動かす話し方―一瞬で人を惹きつける秘訣 - デール・カーネギー
話の四つの目的
話の目的とは、こうです。----話し手が意識していると、いないとにかかわらず、すべての話は、つぎの四つの主要目的のうちのどれかひとつを、かならず持っています。
- 行動をおこすように説得すること
- 知識や情報を提供すること
- 感銘を与え、得心させること
- 楽しませること
上記のうちの1番目、つまり「行動をおこすように説得する」にはどのように話を構成すればいいか。その答えは「マジック・フォーミュラ」にあるという。「マジック・フォーミュラ」とは一体なにか。カーネギーはつぎのように説明する。
まず、話の冒頭に具体的な<実例>、つまり聴衆に伝えたいと思う主要な考えを目に見えるように例示する出来事を持ってくることです。第二に、明確な言葉を使って<要点>を述べ、聴衆にこうしてもらいたいと思うことを、正確に伝えるのです。そして第三に、<理由>を述べることです。つまり、自分の言う通りにすれば、どんな利益や得るところがあるかにスポットを当てるのです。
たとえば、こんな言い方で始めたのでは、たとえどんなに価値のある目的のためであっても、そのために財布のひもをゆるめさせることはできないでしょう。----「諸君、私がここに来たのは、みなさんから一人当たり五ドルずつ寄付していただくためです」。これでは、聴衆はわれがちに出口に殺到するばかりでしょう。しかし、話し手が病院を訪問し、そこで見たことを----たとえば遠く離れた都会の大きな病院にやって手術を受けさせたいのだが、経済的な事情が許さないといった、胸を刺すような実例を話してから寄付を求めれば、聴衆の支持を受ける確率は、はかりしれないほど高まるでしょう。話し手の望み通りに行動させる道を開くのは実話、つまり<実例>なのです。
2番目の「知識や情報を提供する」ための話のコツは以下の4点だ。
- 持ち時間に合わせて話題を限定する
- 考えを順序よく整える
- 要点に番号をふって列挙する
- よく知られているものに喩える
- 視覚的な補助手段を用いる
3番目の「感銘を与え、得心させる」ための話のコツは次の5点だ。
- 信頼される人格を築く
- 受け入れムードを醸成する
- 熱意を聞き手に伝える
- 聴衆に敬意と愛情を示す
- 友だちに話しかけるように始める
4番目の「楽しませる」ための話のコツは4つある。
- 即興の話を練習する
- 心の準備をしておく
- すぐ実例を使って話し始める
- 生き生きと力強く話す
- 「その場そのとき」の鉄則に徹する
- 即席でなく即興の話をする
目次
- 作者: デールカーネギー,山本悠紀子,Dale Carnegie,田中融二
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2006/02/01
- メディア: 単行本
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監修者まえがき第1部 効果的に話すための基本第1章 基本のスキルを身につける
1 他者から学ぶ心を開く
2 話すことの目標をしっかり見据える
3 かならず成功すると自己に言い聞かせる
4 あらゆる機会をとらえて練習する
第2章 自信を育てる
1 人前で話す恐怖についての事実を知っておく
2 適切な準備を整える
3 かならず成功すると自己に言い聞かせる
4 自信を持って振る舞う
第3章 簡単で効果的な話し方
1 経験や学びを通して得たものについて話す
2 みずからが心をかきたてられる主題を選ぶ
3 聴衆にぜひ聞いてもらいたい話をする第2部 話・話し手・聞き手第4章 聴衆の関心を引く話
1 話題の範囲内で話す
2 余力を蓄える
3 実例をたくさん使う
4 映像が浮かぶような具体的な言葉を使う
第5章 生き生きした話し手となる
1 真剣に考えていることを主題に選ぶ
2 感情を再現する
3 真剣に振る舞う
第6章 話を聞き手と分かち合う
1 聴衆が関心を持つ話題を織り込む
2 正直で誠意のある評価をする
3 聴衆とあなたの共通点をはっきりさせる
4 聴衆を話のパートナーにする
5 調子に乗らない第3部 準備の大切な話と即興の話第7章 聞き手に行動をおこさせる短い話
1 あなたの人生における出来事を実例にする
2 聴衆にしてほしい行動を要点として述べる
3 聴衆が期待している理由や利益を示す
第8章 知識や情報を提供する話
1 持ち時間に合わせて話題を限定する
2 考えを順序よく整える
3 要点に番号をふって列挙する
4 よく知られているものに喩える
5 視覚的な補助手段を用いる
第9章 心をつかむ話
1 信頼される人格を築く
2 受け入れムードを醸成する
3 熱意を聞き手に伝える
4 聴衆に敬意と愛情を示す
5 友だちに話しかけるように始める第10章 聞き手を楽しませる即興の話
1 即興の話を練習する
2 心の準備をしておく
3 すぐ実例を使って話し始める
4 生き生きと力強く話す
5 「その場そのとき」の鉄則に徹する
6 即席でなく即興の話をする第4部 意思伝達の技(わざ)第11章 効果的な話し方の秘訣
1 自意識過剰の敵を打ぢ破る
2 人まねをせず、自分自身であれ
3 聴衆と話し合う
4 話に自己を投入する
5 声を力強く柔軟にする訓練をつむ第5部 さまざまな話し方への挑戦第12章 紹介・授賞・受賞のスピーチ
1 話すべきことを完全に準備する
2 T-I-S公式に従う
3 熱意を込める
4 誠実を旨とする
5 授賞のスピーチを心得る
6 受賞のスピーチを心得る
第13章 組み立てられた長い話
1 即座に関心を引きつける
2 聴衆に悪意を持たれないようにする
3 主要な考えを補う
4 行動を呼びかける
第14章 日常会話
1 日常会話に具体的な細部描写を用いる
2 仕事で効果的な話術を活用する
3 公衆の面前で話す機会を捜す
4 ねばり強くがんばる
5 前方にある成功を確信し続ける