イエス・キリストは実在したのか? - レザー・アスラン

以前 レザー・アスラン博士の記事を書いたが、昨年7月に翻訳書が出版されていたので、紹介しておく。 革命のエネルギーに満ちていた一世紀のパレスチナ 「ナザレのイエス」と呼ばれた人物について、何か一つでも知ることは奇跡に近い。世も終わりだと叫びな…

明けましておめでとうございます

明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願い申し上げます。

NHK亡国論 - 西村幸祐

NHKをつくった占領軍の「WGIP」 「WGIP」とは「War Guilt Information Program(ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム)」の略である。昭和二十年(一九四五)、終戦直後の東京に設置された連合国軍最高司令官総司令部、通称「GHQ…

そんな櫻井和寿の詞癖

アルバムも発表しないのにツアーを組むという不思議な活動を繰り広げるMr.Childrenが、最近、小林武史のプロデュースから離れると話題になっている。先だって、彼らの出演する回の『SONGS』(NHK)が、地震により延期になっていたが、昨日ようやく放送された…

免疫力をあなどるな - 矢粼雄一郎

本書、矢粼雄一郎著『免疫力をあなどるな』は、レビュープラス様からの献本です。著者の矢粼氏は職業人生を外科医としてスタートした。だが、あるとき「外科医としての限界」を感じて職を辞す。そしてふらりバックパッカーの旅に出る。行き先はヨーロッパ。…

絶対避けるべき名前の付け方

我が子に名前をつける際、絶対やってはいけないこと 占い師(鑑定師)に命名を依頼する 「人生は自分の力で切り開かなくてもよい」というメッセージを子に与える※親の人生も同じスタンスであることが透けて見える 責任放棄の姿勢を子どもに教えている※親の人…

「骨ストレッチ」ランニング 心地よく速く走る骨の使い方 - 松村卓

「こんなに腕を振らずに走っていいんですか?」 桐生祥秀君を最初に指導したとき、彼が思わず口にしたのは、そんな言葉でした。その隣では、彼を私に紹介してくれた骨ストレッチ指導員の安井章泰君がニヤニヤとしています。一〇〇メートルのスプリンターとし…

こうすれば主語は省略できる 2

昨日は太田蘭三の小説を材料にして主語の省略の仕方を研究した。 今日は別の小説を観察してみたい。手元にちょうど、『ランティエ 2014年9月号』があるので、この中の今野敏『潮流 東京湾臨海署安積班』、これを見てみよう。 彼は、刑事としては明らかに太り…

こうすれば主語は省略できる

日本語は、主語が明示されていなくても、文脈からそれがわかり、そのほとんどは助詞「は」の働きによるものだ、という記事を5年前に書いた。今回は手元にある太田蘭三の小説『緊急配備 顔のない刑事・隠密捜査 (角川文庫)』を観察して、主語を省略する他の手…

【話の肖像画】 作家・西村京太郎

産経新聞の【話の肖像画】に作家の西村京太郎が登場した。 【話の肖像画】作家・西村京太郎(83)(1) 【話の肖像画】作家・西村京太郎(83)(2) 【話の肖像画】作家・西村京太郎(83)(3) 【話の肖像画】作家・西村京太郎(83)(4) 【話…

謝るなら、いつでもおいで - 川名壮志

10年前の「佐世保小6同級生殺害事件」。命を奪われた御手洗怜美さんの父親は毎日新聞の佐世保支局長だった。『謝るなら、いつでもおいで』の著者川名はその部下。支局長と家族ぐるみの親しい付き合いをしていた川名だけに、事件が起きた当時、ショックは大…

ペテロの葬列

宮部みゆきの『ペテロの葬列』がドラマ化され、今日から放送がスタートする。http://www.tbs.co.jp/petero2014/本作は「杉村三郎シリーズ」の第2弾。巨大企業グループの広報室に勤める平凡なサラリーマン杉村三郎が今回も事件に巻き込まれてゆく。 第1弾の『…

インドは変わる!?

週刊誌『東洋経済』で「日本企業にも好機! インドの地殻が動いた」なる連載が始まった。著者は帝羽 ニルマラ 純子(ていわ にるまら じゅんこ)女史である。インドビジネスアドバイザーの肩書を持つ。 第1回目は「「3度目の独立」を果たし、前進するインド」…

愛する娘は、バケモノでした。

中島哲也監督の新作『渇き。』。 本作は6月27日に封切られ、賛否両論を巻き起こしている。 その原因は、R15+指定とは思えないほどのバイオレンス描写だ。 「今まで観た映画で最悪。自分の脳から消し去りたい」「気持ち悪くなったし気分が悪くなった」とい…

第151回芥川賞候補その5 - 横山悠太「吾輩ハ猫ニナル」

序 ある日わたくしの数少ない友人である馬さんが家へひょっくり遣ってきて、自分の今の日本語の水準にして辞書をほとんど使わなくとも読み進められるような小説があるならば、是非とも紹介してほしいと云うのでした。近来の日本の小説は片仮名で表された外来…

第151回芥川賞候補その4 - 羽田圭介「メタモルフォシス」

一人の愛好家が死んだ。 モーニングセットを食べるついでに喫茶店の棚から手に取った実話系週刊誌を読んでいたサトウは、スツールに座ったまま姿勢を正し、当該記事を読み直す。「背中にハローキティの刺青!? 多摩川支流で見つかった身元不明男性遺体に囁か…

第151回芥川賞候補その3 - 柴崎友香「春の庭」

二階のベランダから女が頭を突き出し、なにかを見ている。ベランダの手すりに両手を置き、首を伸ばした姿勢を保っていた。 太郎は、窓を閉めようとした手を止めて見ていたが、女はちっとも動かない。黒縁眼鏡に光が反射して視線の行方は正確にはわからないが…

第151回芥川賞候補その2 - 小林エリカ「マダム・キュリーと朝食を」

私たちがスフレの中心温度より、惑星や太陽の中心温度のほうをよく知っているというのは奇妙なことである。――ニコラ・クルティ 母たちが街を乗っ取ることに成功したその年に、私はこの世に生まれました。ある日、人間たちは遂に、私たちにキッチンを、寝室を…

第151回芥川賞候補その1 - 戌井昭人「どろにやいと」

わたしは、お灸を売りながら各地を歩きまわっている行商人です。お灸は「天祐子霊草麻王」という名称で、父が開発しました。もぐさの葉を主に、ニンニク、ショウガ、木の根っこ、菊の葉を調合して作っています。 天祐子霊草麻王をツボに据えて火をつければ、…

視点人物と代名詞

J.M.クッツェーといえば、南アフリカに生まれ、オーストラリアのアデレードに移住した作家で、二度のブッカー賞受賞(1983年、1999年)を始めとして数々の文学賞を手にし、2003年にはノーベル文学賞をも受賞したことで有名であるが、そのクッツェーの小説 Th…

「外食の裏側」を見抜くプロの全スキル、教えます。 - 河岸宏和

ラウンド1 某大手ファミレス・チェーン店 「混ぜもの」をめいっぱい 入れたハンバーグ □「汚い店にうまいものなし」 河岸 (席につくなり)この店はダメだよ。おいしくない。 ―― まだ何も食べてないじゃないですか!? 河岸 だって入り口にゴミが落ちていたし…

Min Kamp - Karl Ove Knausgaard

ノルウェー人の作家 Karl Ove Knausgaard の自伝的小説 Min Kamp(我が闘争)をご存知だろうか。氏はこの6部作を2009年から2011年のわずか3年間で書き上げ、ノルウェー国内で大ベストセラーとなった。ノルウェー人の少なくとも5人に1人は読んでいる。英語に…

今最も注目される現役心理学者30人(Best Masters in Psychology)

Martin Seligman マーティン・セリグマン『オプティミストはなぜ成功するか』『世界でひとつだけの幸せ―ポジティブ心理学が教えてくれる満ち足りた人生』『学習性無力感―パーソナル・コントロールの時代をひらく理論』『うつ病の行動学―学習性絶望感とは何か…

Luca Stricagnoli - The Future

たまにはギターの音色を楽しんでみてはいかがでしょうか? ご紹介するのは、イタリア人ギタリスト Luca Stricagnoli 氏が、自作曲 "The Future" をラップタッピング技法を使って演奏している映像です。使用ギターは、Davide Serracini 氏作です。

difficultは不可能の意か?

日本語の脳みそのまま英語を理解すると誤解を生じることが多々ある。例えば、"difficult" という単語。普通に英和辞書で引けば「難しい」とあてられている単語である。ならば、"difficult" を "difficult" のままではなく、日本語の「難しい」へ置き換えた上…

Clouds above the Hill

本日付けの The Japan Times 紙に 佐藤紘彰氏が Clouds above the Hill(3巻、4巻)の書評 "A wistful note on a triumphant battle" を書いている。本書は司馬遼太郎の大作『坂の上の雲』の英訳版である。日本語で全6巻構成の本書は、英訳版では全4巻構成で…

日本人には思いつかない「居酒屋英語」発想法 - ジェフ・ギャリソン

一九七八年のある日のことだった。 僕は東京・神田の古書店街にいた。店の名前は覚えていない。僕が書棚をあさっていると、無精ひげを伸ばした日本人男性がぶらぶら歩いてきて、いきなり僕に話しかけた。 「どんな本、探してるの?」 I liked that. その一言…

Chateau Croix Figeac 2010

昨日は久しぶりにワインを飲んだ。というのも、或る酒屋が閉店により「店内全品半額」というセールを行っていたので、これを奇貨として買っておいたワインがあったのだ。銘柄は Chateau Croix Figeac 2010(シャトー・クロワ・フィジャック [2010])。あとで…

あけましておめでとうございます。

原発安全宣言 - 渡部昇一、中村仁信

●「放射線=怖い」を疑い出したきっかけ渡部 中村先生は「放射線が怖くない」なんて発言すると、抗議とかがきて大変じゃないですか。中村 そうですね。ネットではかなり叩かれていましたね。私は関西ローカルのテレビで発言したので、直接の被害はありません…